千組千曲選テーマ別まとめ第九弾は、2000年代(ゼロゼロ年代)にヒットした名曲を12曲紹介します。
2000年代前半は音楽だけでなく生活全般がマニアックな引きこもりとなり、後半はひよっこ社会人として世間の荒波にもまれていたため、これまでの人生で一番ポピュラーなものと無縁な年代でした。そんな中、数少ない世間との接点で聴き馴染んだ名曲を挙げていきたいと思います。
2000年の名曲
Fatboy Slim / Weapon of Choice
1990年代後半に興隆したビッグ・ビートの代表的なアーティスト/DJによる円熟の一曲。スライの“Into My Own Thing”をイントロに、ゴリゴリのベーストラックとリズミカルな低音ボーカルがクセになります。
Fatboy Slimと言えば音楽と共に忘れられないのがPV。くたびれた感じのクリストファー・ウォーケンがほとんど無表情で踊り動き回るシュールさは、いつ観ても最高の作品です。
2001年の名曲
ZONE / secret base ~君がくれたもの~
北の大地から現れたガールズバンド(当時)による大ヒット曲。十年後にアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の主題歌としてカバーされ、そちらのバージョンも個人的に印象に残っています。
甘い旋律に乗って歌われる真っ直ぐな歌詞は引きこもりの道を歩み始めた当時の私には眩し過ぎましたが、それだけに心に残った一曲です。
2002年の名曲
Maroon 5 / This Love
発売時にはそれほど大きく扱われていなかったもののマニア筋からの評価(私は確かタワレコ梅田で知りました。2002年当時は輸入盤のみ)は高く、その後じわじわと売れていき大ヒット。00年代どころか今現在でもトップを走る存在となったバンドの個性豊かなポップソングです。
ちなみに前身であるKara’s Flowersも存在をタワレコで聴いて知っておりました。本当専門店スタッフさん達の探究心は凄かったなあと思います(今は文化が異なるので別の入り口があるかもしれませんね)
2003年の名曲
Linkin Park / Faint
1990年代終わり~2000年代前半に隆盛を誇ったヌーメタル/ラップロック(日本ではラウドロックとも)勢の中で最も成功を収めたバンドによる代表曲。ダンサブルなビートに乗るラップと適度なヘヴィネスが絶妙なバランスでミックスされており、楽曲の短さもあって繰り返し聞きたくなるキャッチーさに溢れています。
この後の路線は興味の範疇外になったこともあり、個人的に今でも聴くのは1st~2ndの時代です。もう20年経つのか・・・
森山直太朗 / さくら (独唱)
桜の木=卒業を改めて世間にインプットした、森山さんの個性的な歌声が響く名曲です。元々はバンドサウンドであったこの曲を(独唱)としてシングルカットした戦略も見事でした。この曲はシンプルなピアノ伴奏がベストですね。
タイミング的に本来なら私の大学卒業とぴったりだったのですが、何故か先に卒業する学友に向けてアカペラで歌った恥ずかしい思い出が蘇ります・・・。何やってんだ、本当に。
2004年の名曲
The Black Eyed Peas / Let’s Get It Started
元々はアルバムElephunkに収録されていた“Let’s Get Retarded”という曲。単語を変更しただけながら、ノリの良さと語感のスムーズさからより広範な支持を得ることに成功しました。踊りながらシンガロング必須な名曲です。
この時代は引きこもりのくせにグラミー賞やMTVアワード等の番組は毎年欠かさず観ていたので、日本のヒット曲よりもアメリカのヒット曲の方が記憶に残っているものが多いです。といっても中心として聴くのはHM/HRだったわけですが。
2005年の名曲
木村カエラ / リルラ リルハ
引きこもりから少しずつ社会に出ていく(まだバイトでしたが)時代の一曲。特徴的なセブンスコードを刻むギターを中心としたバッキングに乗る木村カエラさんの活力溢れる歌声は当時の私にはまぶしすぎたものの、バイト仲間との付き合いなどで出る場所(カラオケや飲み会)で頻繁に聴くうちに、段々と虜にされていきました。
パーソナルな話ばかりで恐縮ですが、そういう意味でどん底にあった私に世間との接点を繋ぎ止めてくれた、思い出深い一曲です。
2006年の名曲
Gnarls Barkley / Crazy
1970年代のディスコソウルを思わせるビートと甘く切ない歌唱で一気に世界を席巻した名曲。世の中に一発屋とされる存在は数多けれど、彼らを超える存在はいないのではないでしょうか(失礼)。それだけこの一曲は凄かったし、今でも時々どこかで使われるのを耳にしては、その強力な吸引力で意識を持っていかれてしまいます。
※一応ボーカルのシーロー・グリーンはソロでもヒットを飛ばしています
2007年の名曲
The Chemical Brothers / Do It Again featuring Ali Love
1990年代後半~2000年代初めの頃に比べると勢いが落ちてきたと感じていた彼らの久々のヒット曲・・・だったと思いきや、意外に当時そんなにチャート上がっていなかったのですね。でも何故か私が聴いていたラジオ等ではよく掛かっていた作品です。
決してキャッチ―とは言えないビート中心のエレクトロながら、シンプルな音像が体の奥底からじわりと突き動かす衝動を感じさせてくれます。地味だけど大好きな一曲。
Nightwish / Bye Bye Beautiful
公開書簡でドロドロ劇を見せつけるという史上稀な看板ボーカリストの脱退騒動を経て、新たにアネット・オルゾンを迎えた彼らが、その騒動を下敷きとして作った一曲。前任者とは異なるアネットの可憐な歌声と力強いマルコ・ヒエタラの歌唱の相性が抜群で、見事な対比を成しております。
Youtubeではヘヴィメタル分野ではかなり珍しい1億回再生を早い段階で達成しており、ネットが中心となっていく音楽シーンにおいて、アメリカメジャーシーンでの成功を必要としないと気付かせた点でもエポックな一曲です。
2008年の名曲
Coldplay / Viva La Vida
循環コードと特徴的なリズムに乗せて、ひたすら壮大で美しいテーマが反復される彼らの代表曲です。多くのヒットを持つバンドですが、一般的にはこの曲の知名度が頭一つ抜き出ているのではないでしょうか。
私が上京した時の大ヒット。人生において非常な躓きを覚えた時代で、現実逃避的に彷徨い歩いた東京のCD屋で当時ガンガン掛かっていたこの曲を聴くと様々な想いが去来します。まあ今となっては、あの頃あったCD屋ほとんど無くなっちゃったなあ、という想いが一番強いのですが。
2009年の名曲
Hilcrhyme / 春夏秋冬
ハートフルでピースフルなトラックとリリックが思わずティアーズをフローさせる、日本のラップ史に残る感動ソング。冗談めかしていますが、日本におけるこのジャンル史上最もキャッチーな一曲ではないでしょうか。
個人的にも2000年代長く続いた暗い人生のトンネルで、ようやく出口の光が見えてきた頃ということもあって思い入れ深い作品です。まあまだまだ七転八倒な思い出が多いですけど・・・
以上、12曲をご紹介させて頂きました。
だいぶ間が空いたためコメントが被っている等あるかも。ご容赦ください。2010年代はなるべく早めに手を付けたいと思います。(もちろん他のテーマも)
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