千組千曲選テーマ別まとめ第四弾はオールディーズの名曲を10曲紹介します。オールディーズという呼び方自体括りとしてどうなんだという感じもありますが、今回は1960年代前半迄に発表されたヒット曲という形でまとめています。
親が親しんでいてラジカセやカーステレオで聴いていたもの、映画などでの使用によるリバイバルヒットで注目を浴びたもの、カバーヒットから遡りオリジナルへ辿り着いたもの等々、今に至るポップスの源流として親しみやすい曲ばかりです。
オールディーズ名曲選①(~1964年発表のもの)
Paul Anka / Diana
1957年の楽曲。年上の女性に対する愛を歌うラブソングの定番。またそのコード進行も日本のロック/ポップスへ影響を与えたと言われています。
余談ですがポール・アンカと言えば2005年に発表されたRock Swingsというアルバムがあって、ロックやポップスをスウィングジャズ風にアレンジして好評を得ました。パット・ブーンがメタルを同様のアレンジで発表したIn A Metal Mood: No More Mr. Nice Guy(1998年)は嘲笑されたのに、時代は変わったのねと思いましたね(どちらも元ネタ知っている人には面白いアルバムですよ)
The Platters / Smoke Gets In Your Eyes
1958年の楽曲。原曲はさらに古い1933年のミュージカル『ロバータ』の一曲で、様々なアーティストにカバーされた中、ドゥーワップスタイルの彼らのバージョンが世界的にヒットしました。
多くのヒット曲を持つグループだけに、長い年月を経て元メンバーや新メンバーが色々とプラターズを名乗って活動していました。ショービズの世界では見慣れた光景ですね・・・w
Neil Sedaka / One Way Ticket
1959年の楽曲。本国アメリカではシングル“Oh!Carol”のB面曲でしたが、日本では哀愁溢れるマイナー旋律を前面に押し出した本曲をA面として売り出し、大ヒットしました。
歌詞は既存の歌の題名を取り込んだもので、一つ一つ追いかけてみると1950年代のヒット曲が追いかけられます。つまりそういう戦略のカタログソングなのですが、今となればあえて乗っかって世界を広げてもよいと思います。
Sam Cooke / (What a) Wonderful World
1960年の楽曲。リズミカルなテンポに乗ってクックの美しい歌声が爽やかな心地よさを届けてくれるR&Bの名曲です。微笑ましい内容の歌詞については、公民権運動に関わられた人だけに色々と想像させられます。
最近だとドキュメンタリーや映画も日本で見られるようになって活動家としての側面がクローズアップされてきている印象ですが、まずは彼の音楽と詞世界から触れられると理解していきやすいと思います(大体知識があって当然的な話の入り方なので)
Ben E. King / Stand By Me
1961年の楽曲。特徴的なベースラインとキングのソウルフルな歌唱が魅力的な名曲で、私たちの世代にとってはもちろん1986年の同名映画の主題歌として親しみがあります。
正直彼の歌で親しんでいるのはこの楽曲だけですが(ドリフターズ時代を除く)、2012年時点において音楽著作権で史上最も稼いだ曲第6位とのことで、これだけでも十分なのかなと失礼なことを考えたりしますw
Dusty Springfield / I Only Want to Be with You
1963年の楽曲。Bay City Rollersによるカバー(1975年)が世界的に有名ですが、歌詞の内容からしておっさんの私には女性が歌ってくれる方が親しみが持てます(笑)
1960年代の活躍後、1970年代には不遇の時代を過ごした方でしたが、1980年代にPet Shop Boysのプロデュースで“What Have I Done to Deserve This?”が大ヒット。その後のアルバムReputationも名盤です。
The Ventures / Diamond Head
1964年の楽曲。彼らのレパートリーの中では数少ないオリジナルで、何とも言えない哀感とエレキのテケテケっぷりが堪らない名曲です。
幼い頃はベンチャーズの音源だけが家にあったので、この時代のエレキインストはほぼ彼らのバージョンで親しみました。今だとYoutube等ですぐにオリジナルアーティストで聴くことができますが、個人的に親しんだバージョンから抜けられないものも多いですね。
The Temptations / My Girl
1964年の楽曲。リードを取るDavid Ruffinの軽妙なバリトンとグループのハーモニーが絶妙な名曲で、彼ら自身としてもモータウンサウンドとしても代表的な楽曲です。
彼らの歴史を描いた1998年のTV映画『ゲット・レディ! 栄光のテンプテーションズ物語』はアーティストものの映画としては最高峰の名作なので、音楽好きと併せて映画好きの方は是非ご覧頂ければと思います。筋金入りのファンの方には生々しすぎて辛いかもしれませんが・・・
Mina / Un buco nella sabbia
1964年の楽曲。失恋ソングなのに何となくとぼけた感じの旋律が面白い一曲で、弘田三枝子さんやザ・ピーナッツによる日本語のカバーでも有名です。
ミーナの有名な曲と言えば“月影のナポリ(Tintarella Di Luna)”があります。私がイタリアのロックについて卒論に書いていた際の参考文献にはイタリアにおけるロックの目覚めとして扱われていました。実際そうなのかは少し疑わしく感じるところもありますが、彼女自身なかなかロックなお方です。(アルバム発表枚数は三桁を超え、2019年にも新譜を発表しているとか・・・)
The Animals / The House of the Rising Sun
1964年の楽曲。元々はアメリカのフォークソングで、ジョーン・バエズやボブ・ディランも録音を発表しておりましたが、エレキギターによるアルペジオとエリック・バードンの野性味溢れるボーカルによる歌唱が、他すべてを吹き飛ばして彼らのバージョンをスタンダードの座に就かせることになりました。
残念ながらオリジナルのヒットにはあまり恵まれませんでしたが、その演奏やボーカルの魅力はその後に大きな影響を与えた名バンドです。
以上、10曲をご紹介させて頂きました。
一組につき一曲だけなので少々窮屈ですが、ある程度代表的な楽曲は拾えているかと思います。
②は1960年代後半のヒット曲となる見込みです(未定)
SS/Sランクで本項に関連する楽曲
既にSSランク&Sランクで紹介している楽曲で本テーマに沿ったものをご紹介します。
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