Sonos Arc & Sonos Era 300 購入~ホームシアター構築の感想

Sonos Arc & Sonos Era 300を購入して

SonosのサウンドバーArcとつい先日発売されたEra 300×2台でリビングにサラウンド環境を導入しました。他製品との比較から購入に至った経緯、そして実際に導入してみてからのレビューというほどでもない感想を書きたいと思います。

目次

導入前の環境について

まずは導入前の環境について。拘るのであればAVアンプにフロントスピーカーにリアにサブウーファーに天井にもスピーカーを・・・といきたいところですが、そうもいかないのがこの世の常。我が家はおっさん&奥様に一人息子という家族構成で、息子は今年5歳。おのずと導き出される条件は以下の通り。

ホームシアター環境構築の条件
  • 子供が幼いため仰々しいAVアンプや大型スピーカーを置くことは不可
  • 配線は面倒くさい子供のおもちゃやぬいぐるみ等が色々と干渉するので、少なければ少ないほどよい
  • 持ち家だが埋め込み工事等は今後の環境変化も考えてやらない
  • ウーファーは躓いたり蹴飛ばされたりしないよう設置しない(でも低音はある程度感じたい)

とまあ最初からサウンドバーしか選択肢が無いような環境なので、他のシステムとの比較はせずに決めました。また、当然この環境は以前からなのでBOSEのサウンドバーSoundTouch 300を利用しており、今回はこの機種からのステップアップということで、数年間の技術革新を味わえるよう、ある程度上位機種での検討を行い購入に至っております。

もう一つ大事なポイントとしてサウンドバーの置き場所について。テレビ台でテレビの前に置く形を取ることになるのですが、現行テレビのスタンドがやや大きく、SoundTouch 300の奥行108mmでも置くとほんの少しはみ出してしまいます。許容範囲ではあるものの同程度のサイズが限界と考えて選びに行きました。

サウンドバー比較~Sonos Arcに決めるまで

東京にはヨドバシアキバなる私のような煩悩の塊が気軽に近づいてはならぬ魔界があってな・・・。普段は気軽に立ち寄ることを躊躇してしまう場所ですが、今回は目的に集中してヘッドホンやイヤホンを見て見ぬふりをしながら(笑)、そちらの4Fで取り扱っているものを中心に色々と聴き比べを行いました。

実は最初、Sony HT-A7000が欲しかった

公式設置イメージ。こんなにスペースあるなら7.1.2実機構成しろよな(僻み)

いきなりぶっちゃけてしまいますが、試聴段階で最も心惹かれ、当初購入したいと思ったのはSonyのHT-A7000でした。映画的な音の迫力はもちろんのこと、試聴時に驚いたのが360 Spatial Sound Mappingによる空間オーディオ。音楽再生に関しては他社を圧倒的に凌駕しており、サウンドバーではあり得ないと思ったHi-fi的サウンドを奏でておりました(※あくまで試聴時の感想です)

これがあれば映画を楽しむことはもちろん、実は持て余していた5.1chミックスの音楽ソフト(大体スティーヴン・ウィルソンのせい)を本当の意味で楽しめるかもしれない、と音楽嗜好面からのプッシュもあって決めかけていた私を、踏み止まらせたのがそのサイズ感

横幅1,300mmもさることながら、驚異の奥行142mmで真四角だから絶対的に置き場所を確保しなければならないという事実に目を背けることはできず、結局断念することになりました。デカい、そのサイズは我が家にはデカすぎるのだ・・・(HT-A5000でも、横幅は1,210mmだが奥行140mmとほぼ変わらず)

同じSony製ではHT-A9が全く新しいサラウンドシステムとして気になりましたが、これだけでは明らかに低音が不足する印象を受けたのでこちらも断念。もっと部屋が広くないと厳しいというのもあって、まだ素直にサウンドバー+αがよいと私は思いました。

JBL BAR 1000の発想は心惹かれたものの・・・

環境的にウーファーの持ち腐れとなってしまうため、バーのみでの勝負では分が悪く感じた

続いて下調べ中に最も気になっていたJBLのBAR 1000。着脱可能なリアスピーカーという素晴らしいアイデアは、リアスピーカーが完全な無線になる(バッテリーのため電源ケーブルも不要)ということもあって大変魅力的なもの。

しかし正直バーそのものの音質がSonyやSonosと比較するとやや籠るように感じ(※あくまで高次の戦いですので)、セットに入っていることもあってサブウーファーが必須となることがネックとなり、候補から外すことになりました。今後同発想の上位機種が出るという話ですので、更なる進化は期待して見ていきたいですね。

Sonos Beamで素晴らしいサウンドと感じ、最終的にSonos Arcに決定

なんとなく控えめなイメージが好印象なBeam(ここまで部屋は広くないが)

その他、BOSEやYAMAHA、DENON、Polk Audio等を色々聴かせて頂くものの、正直SonyのHT-A7000を聴いた後ではどれも物足りなく感じてしまった中で、唯一サウンドバー単体でもこれは!と思わされたのがSonos Beamでした(※この時点ではArcは未聴)

空間オーディオでは一歩譲るものの、映画音声の迫力では申し分ないものがあり、しかもボディは横幅651mmでHT-A7000の丁度半分サイズで奥行も100mmとコンパクト。我が家にはこれがぴったりだ!と思いつつ、せっかくだから上位機種のArcも試しに聴いてみることに。まあ当然そちらがより良かったわけで、今後の拡張性も鑑みてこれに決めようとなりました。

Arc、君に決めた!(ここまで部屋(ry)

気になるサイズ、Sonos Arcの横幅1141.7mmは大丈夫そう、高さ87mmも少し出るだけだから多分大丈夫。そして問題の奥行は115.7mm。1cm以上オーバーなので厳しいか・・・と思いましたが、これはある理由でいけると判断しました。その理由は次の設置に関するところで書きます。

なおこの検討時Era 300は未発売でしたのでSonos Oneで実際のリアスピーカーを体験。やはりサラウンドは物理的に欲しいと感じました。店員さんにお話を伺ったところ新製品の発売が近く、後からでもフレキシブルに足せるということで、この時点ではArcのみを購入。

その後、Era 300に関しては将来的にもしArcを中心としたサラウンドシステムを解体しても高品質な無線ステレオシステムとして使えるだろうということで、実はぶっちゃけ未視聴で購入しております。おっさんの買い物はギャンブル的なので、一般的には全システム構成をしっかり試されてからご検討下さい(Arcの音で信頼していたのでダメなわけがないと考えたので・・・)

Sonos Arcを設置後、Sonos Era300をリアに追加

arcは55インチテレビとほぼ同じ横幅。画面は著作権対策で決して○○なものではない

まずはArcの設置。思ったよりも巨大な箱が届いたので冷や汗をかきましたが、現在の55インチテレビとほぼ同じ横幅で綺麗に設置できました。高さは映画の時には画面よりも映像が狭いので全く、テレビでもほとんど気にならない位の被り方です。

楕円形となっているため多少はみ出しても設置できる

購入の際にこれなら奥行115.7mmでもいけると判断した理由はこちら。Arcは楕円形の円柱状となっているため、多少前にはみ出しても接地面はしっかり乗っけることができます。しかもテレビスタンドも若干ですがその浮きで避けられるため、前後のスペースが厳しい場合にとても優しい形状です。素晴らしい!

設置後は電源を繋ぎ、アプリで設定。最近は何でもかんでもアプリアプリで、オーディオ関連(ポタオデ中心)だけで何個も入れる羽目になってうんざりしておりますが、Sonosはそんな敬遠しがちなアプリもさくさく快適で分かりやすく良いです。アプデを終え、テレビのeARC対応HDMI端子に繋げれば準備完了。

なお注意点として、Sonos Arcには単体でオンオフのような概念が存在せず、テレビの電源を付けると待機状態から常に自動的に切り替わるため、繋げたその日からテレビのスピーカーを事実上乗っ取る形になります。SoundTouch 300の場合は電源のオンオフがあり、映画を観る時以外はテレビの内臓スピーカーを使っていたのでちょっと戸惑いました。

正直普段のテレビ番組ではそれほど良い音である必要が無いし、配信やソフトと地上波では音圧も違うので切り替える自由は欲しかったです。各入力毎に音声設定を記憶する機能も無いので、切り替え時の爆音には注意が必要(特に夜中)。なんとなくここは日本のメーカーほど細かいことは気にしない感じなのかなと思いました。

ただ使い方で困るようなことは他に無いですし、地上波の番組にしても人の声が圧倒的に聞きやすくなるため、慣れればそういうものだと割り切っていけると思います。

視聴インプレッションは後述。我が家では先にArcを数日間単体で使用しておりましたが、今回はera 300を設置してからの感想なので単体としての評価は割愛します。

Era 300をリアとして設置。スタンドも安全面でNGなので家具にどでんと置くだけ

続いてEra 300×2台の設置について。スペース面でも安全面でもスピーカースタンドを置くような余裕は無く、ソファーも後ろは壁際に寄せているため、元々両隣に置いてある棚の上に置いただけという超適当な置き方になりました。

オーオタにはゴミを見るような目で見られそうな置き方ですが、そもそもEra300はそれ自体が空間オーディオを体現する機器であるということで、専門機具を使ったり真後ろに置いたりしなくても相応の音を出してくれるだろうと期待して購入しております。

公式より。これは単体での使用イメージだが、まあ全方位スピーカーなので大丈夫だろうと

セットアップは電源を繋げてArcを設定していたシステムのサラウンドオーディオに加えるだけで完了。無線システムを作るために機器の独自ネットワークに繋げたり、一つ一つWifiのユーザーパスを入れたりといった苦労が無いことは本当に素晴らしいです。

最後の音響調整。メイン携帯電話がandroid(Xperia)なためにTrueplayチューニングを当初実施できませんでしたが、iPadでもできることを知り、無事にTrueplayを実施完了しました。なお結構デカい音が響き渡るため、実施の際は環境及び時間に注意が必要です。

いよいよ映画を楽しむぞ!

アプリ画面。入力音声形式を確認できる(画面はDolby Atmos)
Trueplay無しでも細かく自分好みに設定できる

映画の音声=文句が出ようはずもない素晴らしさ(特にDolby Atmos)

サラウンド感のチェックは次の映画で行っております。

  • Dolby Atmos『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』=初っ端のアベンジャーズ大暴れシーン
  • 5.1ch『プライベート・ライアン』=言わずと知れた上陸作戦シーン
  • Dolby Atmos『ボヘミアン・ラプソディ』=当然最後のLive Aid・・・前のエキストラ大動員観客席の声

自宅環境で印象が変わるとどうしようかという若干の不安は当然ながら杞憂に終わり、我が家の環境では申し分ないサラウンド再生環境が整いました。横方向はもちろん、この置き方でもしっかりと真後ろからの音を感じられます。ホームオーディオファンにはお馴染みである②の銃弾音声で何度も貫かれる快感は堪りません(変態)

またDolby Atmos対応を謳うだけはあり、前後左右に加えて高さ(=ハイトオーディオ)が調整できるようになっており、これは①でアイアンマンが空を飛ぶシーンや、③の歓声の中心に入るシーンでより効果を感じられます。あからさまに上から音がするよりも包み込むような音が増すことで、より没入感のある体験ができるようになりました。

なお2.0ch=いわゆる普通のステレオ音声についてもArc単体に比べて豊かな音の広がりを感じることができます。座る位置からすると真横にEra 300が存在するので、あからさまに横から音が聞こえてくる・・・なんてことはあろうはずがなく、とても自然な形でサウンドバーの音声を補完しているため、こちらも高さを感じられてよいです。

機能面でもナイトモード(夜用に小さい音を大きく、大きい音を小さくする)とスピーチモード(人の声を聞き取りやすくする)はいずれも効果がはっきりと感じられるようになっており、特にナイトモードは思った以上に使えます。もちろん全体的に音は丸くなりますが、子供が寝た後の下げた音量でも十分なサラウンド感を得られるので、個人的に同様の家庭には非常におすすめできる機能です。

ガルパンおじさんの悲劇・・・DTS-HD規格非対応→再生機で対応は可能

以上のように映画の再生においてはこの上ない満足感を得た私。これならばと劇場で体感した映画の中でも、とりわけその音響に感動したある作品を再生しようとソフトを引っ張り出し、常設しているブルーレイレコーダーで再生することに。みんな大好き(?)『ガールズ&パンツァー 劇場版』です。

最初の砲弾と衝撃音の飛び交いはもちろん、戦車が頭の上を走り抜けるあのゾクゾク感・・・まだ当時一人暮らしであった私がサラウンドヘッドホンを購入することになったきっかけの作品でもあり、ホームシアターを構築したならば避けては通れないお楽しみです。いざ、戦車道へ!!!

あれ?なんかサラウンド感が薄い・・・アプリを見るとただのステレオPCMになっている

設定は間違いなく5.1ch音声&パススルーなのにアプリで確認するとPCM2.0ステレオになってしまう。色々いじっても解決せず、途方に暮れていた私。何かヒントは無いかとSonosの公式にある対応ホームシアター音声フォーマットのページを確認してみて気付きました。そう、ガルパン劇場版の音声形式は「DTS-HD Master Audio(5.1ch)」・・・

対応してないんか~い!!!(´;ω;`)

ブルーレイでは特にDTS-HD規格で音声収録されているものが多いため、この非対応という事実は結構痛い・・・。Dolby Atmosは素晴らしいとは言え、その収録ソフトはここ1~2年でようやく数が出てきたという位なので、ソフトライブラリが充実されている方は要注意です。

一応の解決策として、プレイヤーが対応していればDTS-HDのマルチチャンネル情報をそのままPCMに変換して出力することが可能です。本来の音質には劣ると思われますが、サラウンド感は当然どんなステレオ音声よりも上になりますから、私としてはとりあえずこれで楽しむことにします。

我が家ではPS4が対応。ご覧の通りマルチチャンネルPCMとして出力されている

この辺りは何か大人の事情なんでしょうかね。根本的な解決として今後のアップデートで対応をお願いしたいところですが、さすがにハードの仕様っぽいので難しいかもしれません。とりあえずガルパンに関しては2021年には一部劇場でDolby Atmos版が上映されていたようですので、そのソフト化に希望を繋ぎたいと思います。関係者さま、何卒!!!

おまけ的:音楽再生装置としても使ってみる

まあまあ良好なリスニング。Dolby Atmosは今後に期待か

音楽再生には別で投資しまくっているのであまり利用する予定は無いのですが、リビングにおける音楽の再生装置としてどのような感触かも試してみました。音源はSonosアプリを使ってスマホに存在するライブラリとamazon Musicによるストリーミングを用いております。

Sonosアプリを通じてamazon Musicを再生。やはりサンダー

流石に専門のオーディオアンプ&スピーカー構成も持っている身として「これで音楽も完璧だぜ!ヒャッハー!!」とは言えず、音の忠実度はやはり劣る印象を受けます(ややぼわっとしている)。それでもステレオ再生は意外なほど良好な感触で、高音の冴えはなかなかのもの。生活空間のBGMとして使うには十分すぎる性能と言えます。多分ウーファーも加えればドンシャリ傾向を好む方にはハマるのではないでしょうか。

amazon Musicで配信されている空間オーディオ、Dolby Atmosも聴いてみましたが、これはまだ雰囲気モノを出ないかなという印象(※個人の感想です)。ステレオ音源よりさらに拡散してしまうためにどれも音が細く感じてしまい、これはロックでもクラシックでも打ち込みでも同じでした。今後よりライブ感の溢れる音源がリリースされていけば印象が変わるかもしれません。(個人で楽しむよりはみんなで踊るような使い方がよいのかもと)

ライブラリの再生には難あり、改善を期待したい

映画再生や音響調整に関しては素晴らしかったアプリですが、音楽再生装置として使うにはちょっと厳しい点が多いです。そもそも曲の読み込みが重いだけでなく、ライブラリのアーティスト順番がバラバラ、amazonの曲探索もなかなかできない等、かなりストレスフルな作りとなっています。これは率直に改善してほしいところです。

Appleユーザーの場合はAirPlay対応ということなので、androidユーザーにも普段使っているアプリから気軽にストリーミングできるような技術を期待したいですね。

終わり

とりあえずホームシアターとして映画を楽しむ分にはとても満足できる構成となりました。子供がもう少し大きくなればウーファーを追加して、さらに楽しんでいきたいと思います。

あ、でもSub Miniだったらもう置いてもよさそうなサイズ感だな・・・うへへ(このおっさん、多分買う)

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