プログレッシブ・ロックの名曲 ~ブリティッシュ編①~ 千組千曲選No.0219-226

千組千曲選テーマ別まとめ第三弾はイギリスのプログレッシブ・ロックの名曲を8曲紹介します。同じ括りで26曲残っているのですが、分量多すぎるとしんどいので①として分けることにしました。

今回は1960年代には活動を開始していたプログレの中でも古株のバンドや、その関係者による楽曲を取り上げていきます。既にSSランクやSランクでも主要なバンドを取り上げておりますので“メジャーなプログレ”の音が知りたいという方は関連記事もご参照ください。

目次

イギリスのプログレッシブ・ロック名曲選①

Gentle Giant / The Runaway

1973年のアルバムIn a Glass House収録曲。ガラスを砕く音が次第にリズミカルな6拍子のビートになる面白いオープニングから、スマートな変拍子を加えてテクニカルなアンサンブルが展開していく一曲です。

熱く燃え上がるようなハードロックの熱情はありませんが、奥深い妙技があるいぶし銀ロックの味わいがあり、その点でブリティッシュハードロックの渋さに通じるものを感じます。その味わいが癖になるとこのバンドの世界へずぶずぶと引き込まれていくようになるかと。

淡々としているけど、これを制作しながら合わせるの変態・・・じゃない大変だろうな

Camel / Echoes

1978年のアルバムBreathless収録曲。アンドリュー・ラティマーによる流麗なギタープレイに導かれ、流れるように次々とファンタジックな曲想が現れてくる名曲です。

彼らの作品には時期により前面に出る音楽性に違いはあれど、一貫して美しいメロディと包み込まれるような大らかさがあります。この優しさとそれでいてしっかりとした骨格のあるロックサウンドは唯一無二の魅力です。

エコーズと言えばフロイドのものだけではないのだ

Colosseum / The Valentyne Suite

1969年のアルバムValentyne Suite収録曲。時代を考えても驚嘆すべきテンションで繰り広げられるジャズロックの名曲です。クールな導入部と比べて暴走ロック的になる後半の落差も素晴らしいです。

本作はプログレ/ハードロックの好事家を魅了して止まないヴァーティゴレーベルの記念すべきアルバム第一号。ジャケットのイメージも含めてそりゃレーベル買いしたくなるよなあと、この沼にハマる人なら感じるものがあると思います。

他の楽曲もよいけど、この組曲がやはり抜けているなあ

Greenslade / Pilgrims Progress

1973年のアルバムBedside Manners are Extra収録曲。上のコロシアムでキーボード奏者であったデイヴ・グリーンスレイドが結成したバンドによるインストゥルメンタルナンバー。軽やかに疾走するテーマ部の気持ちよさと、メロトロンも飛び出す中間部のファンタジックで多幸感溢れるパートが素晴らしい名曲です。

ジャケットの魔人はロジャー・ディーン作。雰囲気的にメタルっぽいアートワークですが、中身はギターレスで暖かみのあるプログレなので勘違い注意(笑)

見れば見るほど音楽とイメージが合っていない

Van der Graaf Generator / Man-Erg

1971年のアルバムPawn Hearts収録曲。聖歌的で美しいバラードから一転、不条理な暴虐パートやジャズの雰囲気を織り交ぜていき、最後には一体と化して幕を降ろす大作。といってもアルバムでは一番短い曲なのですが。

私は正直言うと未だに彼らの魅力を完全に受け止め切れていないように感じています。突拍子もない展開で受ける強引な印象があまり好ましく感じないと言いましょうか(辺境ものは大丈夫なのに)。まだまだプログレ道、精進精進・・・

プログレというイメージには合っているバンドだけど、個人的にはまだ全てはおすすめしにくい存在

Curved Air / It Happened Today

1970年のアルバムAir Conditioning収録曲。ギターが鳴り響くテンションの高いハードポップの前半と、爽やかなヴァイオリンが主導する後半のインストパートが強引にくっつけられた愛すべき一曲。この急展開はいかにも未発展の初期プログレという感じですね。

ソーニャのボーカルはライブだと非常に激しくロックスター然としたカッコよさがありますので、気になられた方はライブ音源もおすすめしておきます。

この曲はスタジオ盤でもお気に入り

U.K. / In the Dead of Night

1978年のアルバムU.K.収録曲。プログレが廃れた時代に歴戦のメンバーにより結成され生み出された珠玉のテクニカルポップナンバーです。

プログレなるものの結晶体として見事な作品ですが、メンバーがあまりにも個性的かつ、メロディアス・ポップ派とジャズ・フュージョン派でぶつかり過ぎていて、アルバム全体としてはやや聴き疲れる印象があります。初心者の方には次作の方が入りやすい気がしておすすめです。

ビルの公式アカウントなのか!?

Anderson Bruford Wakeman Howe / Order of the Universe

1989年のアルバムAnderson Bruford Wakeman Howe収録曲。タイトル通り宇宙的なイメージが広がる大作です。メインテーマはテレビ朝日系の番組『ザ・スクープ』のオープニングとしてある程度以上の世代には有名。

メンバー名の羅列という何のひねりもないバンド名で、まさにスクワイア抜きの1980年代版『こわれもの』『危機』イエス。意外にと言いますか、スクワイアの存在感を再認識させられるところもあります。とはいえさすがのクオリティでした。

やはりこういうイメージだろうなというPV

以上、8曲をご紹介させて頂きました。

プログレは一曲だとイメージが掴めない作品も多いですが、気になる方はとりあえず美味しいところのつまみ食いからでも始められることをお勧めします。どうせいつか「聴き足りない・・・もっと・・・もっと・・・!」という風になっていくと思いますので。

SS/Sランクで本項に関連する楽曲

既にSSランク&Sランクで紹介している楽曲で本テーマに沿ったものをご紹介します。

いわゆるプログレ5大バンド

その他ブリティッシュプログレの名曲

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