千組千曲選テーマ別まとめ第二弾はNWOBHM(New Wave Of British Heavy Metal)の名曲を紹介します。
まとめ第二弾からマニア向けに・・・。正直に言うと、残り800曲近くをどうやってまとめていこうか整理し始めた時に一番まとめやすく良い分量だったからです(笑)
そもそもNWOBHMって何?という説明はwiki等で簡単に調べられますので省略。私なりに考えるNWOBHMの魅力を書きます。
- 剝き出しの情熱が勢いとなって感じられるから(=疾走感のある曲が多い)
- パンクへのカウンターとして過剰なまでにドラマ性を持とうとしたから(=美旋律の曲が多い)
- でも大体、色々と愛すべきクオリティだから(=一級品じゃないからこその魅力)
いにしえのメタラーであれば必ず通ったNWOBHMというマニアの深い谷。私も多少潜った中で出会えた珠玉の名曲たちをご紹介していきたいと思います。
NWOBHM名曲選 A to Z順
Angel Witch / Angel Witch
1980年の同名アルバムAngel Witch収録曲。まさに先述した特徴を持つ、NWOBHMを代表する名曲。
彼らの影響力は大きく、音楽性だけでなくダークな世界観も後続のヘヴィメタルバンドへ受け継がれていくことになります。アルバム全体もスラッシュメタルやグルーヴメタルの源流的なサウンドが窺える名盤です。
Dark Star / Lady of Mars
1981年のアルバムDark Star収録曲。ヘヴィメタルの原型とも言うべきハードロックを継承するシャッフル調のナンバーで、美旋律をまき散らすようなツインリードギターが堪らない名曲。
こういう楽曲を聞いてニマニマするか物足りなく思うかで、メタラーの古いもの許容度が測れる気がします。現代ではメタルと言う人はいないかもですね。あ、嫌悪する人は帰って下さい(笑)
Demon / Into the Nightmare
1981年のアルバムNight of the Demon収録曲。ポップでコンパクトな骨格ながら、とてつもない哀愁でドラマティックに迫る大名曲。個人的好みですとこれはほぼSランク。200曲に絞ったからすみません(´・ω・`)
とにかくジャケットやバンド名のイメージが最悪で損をしている名バンド。その後の作品も佳作が多いのですが、ヘヴィメタルからむしろ離れていってしまっていて、この曲調なら誰か止めてあげたらよかったのにと思います(まあもちろん契約等でそんなわけにいかないのは分かりますが)
Diamond Head / Am I Evil?
1980年のアルバムLightning to the Nations収録曲。三連の刻みリフに乗るドラマティックなイントロから大仰に展開していく名曲です。
Metallicaが多大な影響を受け、この曲含めいくつもカバーを発表したことで遡って再評価されましたが、正直Metallicaのカバーって美味しいところばかり取り上げるので、全体的には結構地味なサウンドのバンドだと思います。
Grim Reaper / Rock You to Hell
1987年の同名アルバムRock You to Hell収録曲。NWOBHMの香りを残す、ストレートなヘヴィメタルの佳曲。メタル史上でも屈指の美声を持つスティーヴ・グリメットのボーカルが素晴らしいです。
NWOBHM最後発のバンドながらアメリカでチャートインする等ある程度成功を収めましたが、どの作品も一貫してB級的なセンスに溢れた不器用メタルに溢れています。これもマニアにとって愛すべきポイントですね。
Idol Rich / Dirty Dreams
1985年のEPWorking Girls収録曲。イントロから溢れ出るドラマティックさを誇る、ハードでメロディアスな名曲。
正確にはNWOBHM期のバンドではありませんが、人脈とローカルさゆえにNWOBHMマニアに絶賛されている音源です。うん、これは聴けば分かるというやつです。私が買った現在手に入るCDは盤起こしのようですが、それでもマニアなら大満足できると思います。
Raven / Faster than the Speed of Light
1982年のアルバムWiped Out収録曲。ハチャメチャな勢いが持つ熱さにノらずにはいられない、彼らの代表的な一曲です。
そのタイトル通り当時は世界一速いと言われたそうで、多分この崩壊寸前のテンションがそういう印象を増している気がします。テクニカルなバンドも大好きですが、こういうバンドサウンドもそれゆえに生まれる魅力がありますよ。
Saxon / Princess of the Night
1981年のアルバムDenim and Leather収録曲。せっつくような勢いのリフと盛り上がるギターソロがやはり美味しいスピードナンバーです。ビフ・バイフォードのどこか哀愁を感じさせるボーカルも◎。
NWOBHMスタートとしては成功者の部類に入るバンドで、2011年にイギリスの国勢調査でヘヴィメタルを国教として調査するように話したことが話題になりました。そうなると聖歌は当然“Denim and Leather”ですね(笑)
Tank / The War Drags Ever On
1984年のアルバムHonour & Blood収録曲。長いイントロを抜けて飛び出してくるのは哀愁に満ちた重厚なギターリフ。ドラマティックに突き進む彼らの代表曲です。
初期は活動にも支援を受けたというMotörhead直系のパンキッシュなサウンドでしたが、独自の重厚なメタル路線を進んでいった彼らの方が私は魅力的に感じます。まあもう少しコンパクトな方がよい気もしますが(その不器用さもメタル)
White Spirit / Cheetah
1980年のアルバムWhite Spirit収録曲。オルガンといいギターといい、完全にDeep Purple目指してます!という感じが微笑ましい、でも捨てがたい魅力を持つ名曲です。
後にブルースのソロ作への参加を経てメイデンに加入するヤニック・ガーズのプレイは完全にリッチーのそれ。メイデン加入後はあまりこういう味が出なくなって、逆に残念な気持ちになっちゃうマニアです。
以上、10曲をご紹介させて頂きました。
リアルタイム世代の方であれば更に思い入れの強い楽曲がどんどん出てくるであろうNWOBHM。近年の進み過ぎたメタルサウンドにお疲れのお方は、一度この癒しのB級沼に入られることをおすすめします。
まあここで挙げた何倍もCランク以下の残念な曲があるんですけども・・・(笑)
SS/Sランクで本項に関連する楽曲
既にSSランク&Sランクで紹介している楽曲で本テーマに沿ったものをご紹介します。
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